ゲームの現実逃避: プレイヤーの心理と倫理的な問題

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ゲームの現実逃避: プレイヤーの心理と倫理的な問題

画像はイメージ

ゲームでは、現実ではできないことができる。『グランド・セフト・オート』でドーナツ屋に立てこもって発砲事件を引き起こして、軍隊が出動するまで粘って遊んだことがある。あれは面白かったが、実際にやろうとは当然思わないまま今に至る。

現実ではなかなか難しいという話で言えば、イケてない男性もゲームでなら美少女ハートを射止めることができる。

他にもベタだが、ゲームの中では勇者として魔王を倒すために活躍することだって可能だ。
ゲームってのはそもそも、なかなか現実ではできないことを体験するためのコンテンツという側面もあるだろう。

たとえば近年はFPSが人気。オンライン上でプレイヤー同士が銃器でもって気軽に殺し合うことができる。本当の戦争が起きている時代に、ゲームでも殺し合いをするのはどうなの? という気もしないでもないが、やれば面白いのだから仕方がないよね。ただし仮にゲームであっても、人を撃つことに抵抗をおぼえるプレイヤーはいるようだ。(文:松本ミゾレ)

「襲ってこない無害なモンスターを殺すのも無理」

先日、Talkという匿名掲示板に「FPSの『生身の人間を殺害する』という行為をメンタルがどうしても受け付けない」というスレッドを立っていた。

この人、「人間同士で殺し合うFEもプレイ出来ない。こちらを襲ってくるゾンビクリーチャーモンスターはいくらでも虐殺出来るんだが。ちなみに襲ってこない無害なモンスターを殺すのも無理。密猟者とやってる事が変わらんじゃん。同じような人いる?」と書き込んでもいる。

僕はFPSに関しては全然ヘッドショットしたい側なんだけど、生理的に嫌悪感を抱く人の気持ちも分かる。だからこそバトロワFPSでは出血描写がないものとかもあるんだろうね。ゲームの中とはいえ、リアルに描写しなければだめということはないわけだし。

撃ち合いするゲームはそれこそ『スプラトゥーン』とかもそっちの系統なんだろうけど、やっぱりポップスポーツに見えるように描写されているのは、そういう理由もあるわけだ。少なくともこの人みたく、殺し合いはキツいよって声を挙げるゲーマーもいるわけだし。

もちろん「ゲームだから気にせずガンガン撃てよ」って声も分かるんだけど、まあこういうのは人それぞれの見解があるわけだから、無理強いなんかとてもじゃないけどできないよね。

やってることは象牙の密猟みたいなモンハンもキツいよね、という話

ところで僕には、FPSよりももっとプレイがしんどく感じるゲームがある。それがカプコンの『モンスターハンターシリーズだ。それこそ一時期大流行して、友達の付き合いでやってたんだけども、これが本当にキツかった。

基本的にこの作品って、人間がフィールドに出て狩りをするスタイルだから、本来人間に危害を加えてないモンスターを襲撃して狩猟するということになる。当然討伐対象には強いのもいれば弱いのもいて、無抵抗な草食動物なんかもいるわけで、強い奴だって子供を育ててるのもいるから、よく考えれば考えるほど、プレイヤーの欲のために何度も何度も殺すのはゲームとはいえ……という気持ちになってしまう。

しかも斬撃描写でバリバリ出血もするので、やってる間は「これはゲームポリゴン。関係ない関係ない」とだましだまし遊ぶ始末だった。

前述のスレ主も襲ってこない無害なモンスターは殺せないと書いていたので、多分モンハンをやってアプトノス辺りを殺すのに躊躇したのだろう。

キャリコネニュースの編集長と打ち合わせをしたら、やはり同じように感じているようで「モンスターが街を襲ってたら全然問題ないけど、大義がないのに殺しに行くのがちょっと」という話をしていた。

モンハンって基本的に大型モンスターが自分のなわばりを移動して、生態系の上位同士は喧嘩したりして、夜には寝たりして、普通に生きている。ハンターを見つけると外敵と判断して襲って来るのも自然なこと。

でもハンターの目的は街や村の防衛や発展とかよりも、結局のところ強い武器を作るための生け贄探しでしかないので、色々と可愛い猫を登場させるなどしてファンシーにしても、どうしてもきつく感じる。

特に戦闘の終盤に弱って部位破壊されながら足を引きずって寝床に戻ろうとする大型モンスターを見てると、「なんでこんなゲームしてんだっけ」となってしまう。

なんでモンハンをやるかって、大型モンスターを殺して牙だの鱗だのをはぎ取るためにやるのである。言ってみれば密猟の疑似体験だ。疑似体験なのだから別にいいんだけど、やっぱりここが引っかかると遊びにくくなる。殺すのはちょっと……と思って生きたまま捕獲したとして、その後の処遇を思うとアレだし。

個々のモンスターラオシャンロンぐらいの明確な脅威として立ちはだかってくれれば、まだ遊ぶ気概も削がれないんだけど……。とまあこのように、どんなにファンが多い大作であっても、生理的な部分で「ちょっと遠慮しますわ」ってゲーマーは出るという話です。難しいね。

「FPSで人を撃つのが苦手」という意見 ちなみに自分はモンハンが苦手だ

(出典 news.nicovideo.jp)

この記事は、ゲームの中で可能な行動が現実の倫理規範とどのように衝突するかについて深く掘り下げています。特に、「グランド・セフト・オート」での犯罪行為や「モンスターハンター」での狩猟行為など、現実では許されない行為がゲーム内で可能であることについての議論が興味深いです。

また、FPSゲームでの人間対人間の戦闘に対する抵抗感や、無害なモンスターを攻撃することに対する罪悪感など、プレイヤーの心理的な反応についても詳しく語られています。これらの視点から、ゲームは単なるエンターテイメント以上のものであり、プレイヤーの倫理観や価値観を反映し、時にはそれらを問い直す機会を提供することができると言えます。

しかし、最終的には、ゲームは現実とは異なる空間であり、プレイヤーはその中で自由に行動できるという事実を忘れてはなりません。それぞれのプレイヤーが自分自身の価値観に基づいてゲームを楽しむことが最も重要であり、他人の意見に左右されることなく、自分に合ったゲームを見つけて楽しむことが大切です。それがゲームの醍醐味であり、その自由さと多様性がゲームをこれほどまでに魅力的なエンターテイメントにしているのです。

<このニュースへのネットの反応>

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