「自分が誰か分からない。どうやって生きていけば…」 島根の山中で目覚めた後、約2カ月間”記憶喪失”の男性 顔出し取材で情報呼びかけ
今年7月、島根・奥出雲町の山あいを走る国道沿いの植え込みで、激しい頭痛をともなってふと目が覚めた男性。
「自分はなぜここで倒れているんだろう」「ここはどこなんだろう」。そして、「自分は誰なんだろう」ー。
それからもうすぐ2カ月。いまだに過去の記憶が戻らないものの、大阪の地で、少しずつ生活を立て直そうとしています。
いま一番の願いは「自分は誰か」が明らかになること。男性は「どんな些細なことでもいいので、情報がほしい」と話しています。
◼島根県の山中で財布の中はカラ 携帯なし、ブランドバッグには60万円・・・ナゾだらけの発見状況
男性は「田中一(たなか・はじめ)」と自称しています。本名はまだ、思い出すことができません。
年齢は30代後半~40代前半。とても聞き取りやすい、きれいな標準語を話します。自称・田中さんによると、いまある最も古い記憶は「茂みの中にいる自分の近くを通り過ぎていく車」。
この「茂み」というのは、何日も経ってから、島根・奥出雲町の山間部を走る国道314号脇の草むらだったことが分かりました。
その後の警察などの調べで、目が覚めた日は逆算して「7月10日頃」となりました。「時間帯はたぶん、明け⽅か、⼣⽅かのどちらかです。起きて頭が痛くて⽬が覚めたんですけど、とにかく頭が痛くてもうそのまま、また眠るような感じ。2日くらいはそのまま倒れていました」
ようやく体を起こせるようになり、おそるおそる頭を手で触れてみましたが、出血している様子はありませんでした。
男性は半袖Tシャツに黒いズボン、サンダルの格好。近くにはイタリア製ブランドバッグが落ちていました。ここで倒れていた理由も、自分の名前も、何もかも記憶がありませんでした。
でもバッグについては不思議と「自分のものだ」という感覚はあったと言います。バッグと一緒に散らばっていたブランド財布には現金は1円もなく、免許証などの身分証もありませんでした。
しかし、バッグの中には、チャック付きポリ袋に入れられた約60万円もの大金が入っていました。
他にはスウェーデンのブランドの腕時計、衣類、メガネ、モバイルバッテリー、ライターなどがありました。携帯電話はありませんでした。◼「延命水」で命をつなぎ、街中へ なぜ警察に相談しなかったか聞くと…
「『ここはどこなんだろう?何でこんな所にいるんだろう?』と。あとはのどがすごく渇いていて、とりあえず散らばっていた物をカバンにまとめて、坂を下ったり登ったりを続けていたら『水』と書かれた看板が見えました」
これは島根県名水百選の一つに選ばれている「延命水」とみられます。
田中さんはこうした水が飲める場所を足がかりにしながら、野宿生活を続けました。地元住民とみられる人から初めて話しかけられたのも、こうした水飲み場でした。「⽔を汲みに来た⽅がいたんですけれども、その⽅が話しかけてくださって。『なんで⾃分がここにいるかわからなくて、正直困ってるんです。 どうすればいいですかね?』と話をしたら、最初はすごい半信半疑な感じで受け止められました。ちょっとお⾦があるから、街に⾏きたいんですっていう話をすると、これから車で出雲市駅の近くを通るから、その駅まで送ってあげるよっていう話になって」
街中に出てこられた田中さん。
ここでようやくコンビニを利用して食料品を調達できました。他にもいくつかの店でキャンプ用品などを買い、時には電車も使って出雲市や松江市を移動して放浪生活を続けていたそうです。記者が「警察や役所になぜ相談しなかったか」と聞くと―。
「キャンプ生活を続けている中で、何人もの人からいろいろ助けてもらいましたが、頂いたアドバイスとして『もう少し間隔をあけて警察に行ってみたら?その間に家族から捜索願が出ているかもしれないし、情報が出る確率は上がると思う』というものがあったんです。あと、ある日記憶がぱっと思い出せるかもしれないというのもあって…」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/c353c483efeaab7135fe0d48f4530279a455cda8
そのうちウソもバレそう